お客様の声
Case Studies

中外製薬工業株式会社 様

中外製薬グループの中で生産機能を担っている中外製薬工業株式会社様。
今回は弊社がコンセプトデザインから携わった低・中分子医薬品の合成原薬製造棟FJ2を中心にインタビューさせていただきました。
※FJ2は、ISPE(国際製薬技術協会)の2023 Facility of the Year Awardsを受賞されています。

 世界が認めた高薬理活性製造施設
~Breaking new ground beyond the “Wall of 0.05μg/m3”~


中外製薬工業様のコーポレートサイトより


企業情報

名称  :中外製薬工業株式会社
設立  :2006年5月
資本金 :8,000万円
代表者 :代表取締役社長 鎌田 謙次
従業員数:1508名(2021年12月31日現在)
事業内容:医薬品の製造





デジタルエンジニアリング部
課長 平澤 大介 様


製造第2Gグループ
グループマネージャー 松浦 公紀 様

FJ2プロジェクトの位置づけ

CM Plus:この度はISPE のFacility of the Year Awards 受賞おめでとうございます。
弊社は概念設計、エンジニアリング会社選定支援と現場における建築構造や配管溶接管理支援等、限定した範囲でのお手伝いでしたが、関わらせていただいたプロジェクトが国際的にも評価され、うれしい限りです。
早速ですが、中外製薬様のFJ2プロジェクトの位置づけや意義を教えていただけますでしょうか。

中外製薬工業 平澤様:中外製薬は、バイオ・抗体医薬品に強みを持っておりますが、低・中分子医薬品も一つの大きな柱と位置づけており、その開発加速と供給能力増強を目的とした重要なインフラとしてFJ2を建設することになりました。プレスリリースも出ておりますので、是非ご参照ください。
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20190424170001_844.html?year=2019&category=

CM Plus:ありがとうございます。藤枝工場内ではFJ1の建設から、FJ2へ、また現在は更にFJ3の建設が進んでおりますが、FJ2で扱う製品は、開発フェーズではどのフェーズのものとなるでしょうか。

平澤様:FJ2は治験のフェーズ1から2の前中期に該当します。中外製薬で一貫して製造できることを大きな戦略としており、治験開発フェーズに沿って、フェーズ1~2をFJ1,2、フェーズ3から初期商用がFJ3となります。
また、中外製薬が作る医薬品は活性が高いものが多く、外部のCMOなどに製造の委託を行うことは難しいという環境もあり、自社内で一貫して対応することが出来れば、より一層の開発加速という点で有利だろうという判断も背景にありました。

CM Plus:外部に委託するという可能性も検討された上で戦略的に判断されているのですね。最近の医薬品製造の傾向としてはCDMOへ委託する流れも強くなってきていますが、自社内で開発から製造まで行う利点を重視されていること理解しました。

中外製薬工業 松浦様:中外製薬の開発品は非常に活性の高いものになり、外部委託は、当時はほぼ無理な状況でした。最近は先発メーカーからCDMOに開発と製造を委託し、受託市場は活況と思いますが、初期フェーズの原薬供給については外部委託で行うとやはりスピードが落ちてしまいます。初期フェーズであればあるほど、自社で製造した方が早く供給できると思います。

CM Plus:なるほど。現在、弊社でお手伝いさせていただいているFJ3プロジェクトも含めて、開発から実生産まで対応できる施設を目指しているのですね。

平澤様:はい、FJ3は初期商用生産まで対応できる、所謂ローンチプラントと位置付けています。

松浦様:FJ1は2003年ごろに建設を進めましたが、FJ2プロジェクトでは、それから20年経ち、弊社の開発品の質も変わってきました。先ほどの高活性の件や、低分子・中分子をカバーすることが求められ、それらを反映したのがFJ2になります。

平澤様:FJ2の概念設計を進める時期は、施設建設を知る人間がほとんどおらず、どのように進めるかという所からのスタートでした。

CM Plus:その節は、シーエムプラスにご相談いただきありがとうございます。コンセプトデザインの段階に、貴社の重要なプロジェクトに関わることが出来て、大変光栄です。 先日のビジネスエンジニアリング株式会社主催のセミナーで、平澤様のご講演を拝聴させていただきましたが、“0.05㎍/㎥以下の封じ込め性能をもつ施設“は、世界的に見ても稀なのではないかと思います。

平澤様:完成した今は実現できたと言えますが、プロジェクトの開始当初は難しいだろうという意見が多かったです。

CM Plus:検討当初は、弊社も難しいだろうという見解を申し上げたこともありました。失礼をお詫びするとともにこのチャレンジングな基準をクリアされた中外様に敬意を表します。 FJ2のキックオフミーティングの際、9年前になりますが、平澤様が説明された封じ込め設備の設計コンセプトの通りに、製造工程毎の作業を洗い出し、それぞれの作業ついて適切な封じ込め対応を考え、検討と検証を重ねて、最終的に0.05㎍/㎥の壁を越えられました。

平澤様:プロジェクト進行中は様々な困難がありましたが、やり切ったという感想です。先日のセミナーでも話しましたが、まず自由度が高い初期段階で設備の検討を徹底的に行うということが重要だと思います。初期段階で知見を持つシーエムプラスとコンセプトデザインに取り組み、最終的なゴールを共有できたということは今につながっていると思います。

CM Plus:ありがとうございます。

 

概念設計時 平面図 概念設計時 断面図

 

ISPE のFacility of the Year Awards受賞について

CM Plus:少し話は変わりますが、ISPE のFacility of the Year Awardsを受賞した反響はどうでしょうか。

松浦様:中外製薬グループの全体として関係している会社様を始め、想像以上の反響がありました。また、社内でも賞をいただき、注目されたと思います。

平澤様:受賞を機会にプレゼンテーションする機会が増えたのですが、社内外から、「良いプロジェクトだね」とか、面識のない人からもフィードバックを受けるようになりました。

CM Plus:授賞式の様子はいかがだったでしょうか。

松浦様:授賞式はとても華々しい内容でした。500名程の出席者の下でWinnerとして表彰されることとなり、中外製薬から参加したメンバーは一様に達成感を感じている様子でした。

平澤様:また、WinnerとしてFJ2プロジェクトの概要を大会期間中に参加者にプレゼン(講演)できたことも対外的にプロジェクトを発信するという点において貴重な場となりました。

CM Plus:素晴らしいプレゼンテーションだったと伺っています。御社にとってもFJ2プロジェクトを対外的に効果的に発信されたと思いますし、平澤様が世界的にも注目されている場で活躍されたことは、同じ日本人として誇らしい気持ちになります。他の日本のプロジェクトももっと積極的にFOYAにチャレンジして欲しいですけど、まだまだ少ないですね。日本人は対外的なアピールが下手なこともありますし、そもそも情報を社外に出したくないという考えもあると思います。

松浦様:確かに先発医薬品メーカーのプラントは外部の方に見せることはほとんどないですね。 少しずつ外への見せ方、対外的な発信への意識が変わってきているところだと思います。

平澤様:また、幸運だったのは、賞にエントリーすることを理解してくれた上司を始め、工場長、部長などに恵まれたことです。賛同を得て、積極的にどんどん出していこうという流れでした。

CM Plus:中外製薬様の社風ですね。方針として打ち出されている通り、“社員の主体性”と“挑戦すること”を尊重されている。

平澤様:周りの理解も得てエントリーをし、その時点では、ひとつ記念として残ればよいという気持ちでした。それが賞に選ばれ、このプロジェクトが成し遂げたことをが、社内のいろいろな方々に伝わり、広がっていく、それは水面へ投じた石により生じた波紋が広がっていくように反響が広がった印象で、感慨深かったです。

CM Plus:ひとつの投じた石がきっかけになり、良い流れの波紋が社内にさらに社外へと広がっていったのですね。

CMを採用した理由、またその中でシーエムプラスを選定したのは?

CM Plus:FJ2プロジェクトでコンサルティング会社を採用した理由をご教示願います。

平澤様:一つの目的としては透明性確保のためです。株主はじめ関係者にしっかり説明できる透明性を持って発注するという思想でした。お得意さまという事で、特命で任せると公平性も欠きますし、説明できる透明性を担保するには、相見積もりを取って選定していくことが必要だと考えました。

CM Plus:最近はそのように考えるお客さまが増えてきました。社内外の関係者に説明責任を果たすことが求められていて、一社特命で設計から施工まで一括発注を行う従来の方法ですと、説明責任が果たせず、しっかり競争環境を作って選定した上で発注することを方針として打ち出されているようです。その際には私たちシーエムプラスを利用いただければと思います。

平澤様:また、FJ2プロジェクトは、20年程前に竣工したFJ1以来の、大規模な化学合成原薬製造棟の建設であったため、プロジェクト初期段階を円滑に進めるべく、コンサルティング会社を採用したという背景もあります。

松浦様:当時は確か、どのぐらいの規模の金額になるか、概算でも見積もれない状態から始まったと記憶しています。

CM Plus:ありがとうございます。プロジェクト初期の形のない状態から、計画を形にしていくこと、また概算コストを提示しながら、計画を絞っていくことなど、弊社の得意とするところです。 ところで、数あるCM会社からシーエムプラスを選定いただいた理由は何でしょうか。

平澤様:建物および生産設備の双方対して、強みを持っていることから選定しました。

松浦様:当時、インターネットで検索でもCM会社を探しましたが、シーエムプラスさんだけが生産設備も含めてのサービスを展開されていました。

CM Plus:ありがとうございます。宣伝になってしまいますが、生産設備を含めて設計を行えることが弊社のつよみと自負しています。世の中に建築設計事務所も、CM会社も星の数ほどありますが、建築系がほとんどです。弊社はエンジニアリングのDNAを持ち、「生産設備を軸とした施設設計」ができるユニークな設計会社・CM会社であると考えています。

CM Plus:CM Plusを採用していかがだったでしょうか。良かった点、改善点など忌憚なくお話ください。

平澤様:FJ2プロジェクトで依頼した業務について、責任を持って取り組んでくださった点、結果を出してくださった点は評価に値するレベルと感じています。また、業務期間中、プロジェクトの要望に応じてフレキシブルに、タイムリーに対応いただけたことは、非常にありがたかったです。プロジェクトの安定的な進捗に貢献していただきました。 プロジェクトを進めるには多くの人を巻き込んで進めていかなければなりませんが、自分たちだけの情報では理解を得るのに足らないところを、豊富な情報を提供いただいて、それにより関係者一体となってスピード感を持って進められたと思います。

松浦様:プロジェクト初期から施工時の検査まで一貫して関わっていただき、FJ2のコンセプトをご理解いただいたうえで様々な確認、提案をいただけたことが良かったです。コンセプトデザインの段階から携わっていただいたことで、FJ2の思想や経緯が分かっているので話が早く、必要なポイントで的確に支援いただきました。

CM Plus:ご評価いただきありがとうございます。プロジェクト遂行のお役に立てたこと、大変嬉しく思います。

CM Plus:本日はインタビューの機会をいただき、ありがとうございました。

注:インタビュー記事内に掲載の情報はインタビュー当時のものとなります。

プロット1:FOYA受賞のトロフィーの話題から

CM Plus:トロフィーは授賞式で受け取った後は…

平澤様:授賞式で授与された後、初めは直送で藤枝工場に送ろうと思ったのですが、 関係者と相談すると、各工場で見せた方がよいだろうとの流れになり、最初は浮間工場から宇都宮工場、そして最後に藤枝工場に飾ることになりました。

インタビュー時、幸い巡回の旅を経て、藤枝工場に飾られた後で、実物を拝見し写真を撮らせていただきました。

プロット2

インタビュー後、弊社末包社長が「医薬品工場建設のプロジェクトマネジメント」と題して、講習を行わせていただきました。プロジェクト遂行に関わる内容は、弊社の書籍「工場建設プロジェクトのノウハウ」にも載せておりますので、是非ご参照ください。

 

 

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