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ハラール
~ハラール コラム④~ マレーシア、インドネシアの認証フロー ハラール 2025/07/01

ハラール認証は取得する国によって手続きや要件が大きく異なります。そこで今回は、東南アジアを代表するマレーシアとインドネシアについて、政府系機関や管轄省庁が発表しているハラール認証フローをご紹介します。どのような流れで認証が進むのか、実際の手順を押さえる際の参考にしていただければ幸いです。

マレーシアのハラール認証フロー

マレーシアはイスラム教を国教としており、ハラール認証も国が運営していることが特徴です。マレーシア連邦政府総理府イスラーム開発庁(通称 JAKIM:Jabatan Kemajuan Islam Malaysia)が担っています。
以下がJAKIMが発表しているフローになります。

マレーシア ハラール認証 申請フローチャート

マレーシア ハラール認証 申請フローチャート

NCR*:不適合報告書(Non-Conformance Report)の略

  • 参照:Halal Malaysia Portal
  • 訳文は、原文の意図をできるだけ忠実に反映するように努めていますが、利用される方のご判断・責任においてご使用下さい。

インドネシアのハラール認証フロー

インドネシアは、世界最大のムスリム人口を擁する国として知られています。2023年時点で総人口はおよそ2.77億人にのぼり、そのうち80~90%程度がイスラム教徒(ムスリム)だと推計されています。ただし、インドネシアはイスラム教を国教とは定めておらず、キリスト教、仏教、ヒンドゥー教など多様な宗教を信仰する人々が共存し、宗教間の調和が重視されている点が大きな特徴です。

ハラール認証の権限は、以前は民間団体であるインドネシア・ウラマー評議会(MUI*1)が有していました。しかし2019年より、政府の宗教省直轄のハラール製品保証庁(BPJPH *2)へ発行主体が移管されています。政府主導のもとで国内外からの信頼度を高めようとする戦略的な動きとみることができ、ハラール認証の国際的認知度向上にも寄与しています。

インドネシア ハラール認証実施のための一般的な枠組み

インドネシア ハラール認証実施のための一般的な枠組み

インドネシアでハラール認証を得るためには、複数の機関が関与します。まず認証機関(LPH*3)が、申請製品やサービスがハラール基準を満たしているか監査を実施し、次いでMUIなどのファトワ委員会がハラールの可否について審議を行います。その最終判断をもとに、BPJPHが正式に認証を発行する流れです。

  • *1 MUI:インドネシア・ウラマー協会(Majelis Ulama Indonesia)
  • *2 BPJPH:Badan Penanggulangan Jaminan Produk Halalの略称。ハラール製品保証実施機関
  • *3 LPH:Lembaga Pemeriksa Halalの略称。ハラール審査機関

インドネシアとマレーシアの相互承認

インドネシアとマレーシアは、東南アジアを代表するイスラム諸国として知られていますが、2023年6月にハラール認証の相互承認に関するMoC(Memorandum of Cooperation)を締結しました。具体的には、インドネシアのBPJPHとマレーシアのJAKIMがそれぞれ発行するハラール証明書が両国で相互に有効となる仕組みです。

この取り決めにより、JAKIMで認証を受けたマレーシア製品はインドネシア市場へ円滑に参入でき、インドネシア国内でBPJPHハラールロゴを取得した製品もマレーシア市場で流通しやすくなります。ただし、相互承認の対象となるのは「インドネシアおよびマレーシアで生産された製品」に限られるため、日本で製造された製品などは含まれない点に注意が必要です。

一方で、日本企業であっても、インドネシアやマレーシアに生産拠点を有する場合は相互承認の対象となるため、両国間でのハラール製品の流通障壁が下がり、市場拡大にもつながることが期待されています。

  • 上述の内容は記事掲載時点の情報をもとにしています。詳細や追加情報が必要な場合は、各国の公式機関(BPJPHやJAKIMなど)の最新の発表やガイドラインをあわせてご参照ください。

シーエムプラスは、「ハラール コンサルティング&エンジニアリングサービス」として、ハラール認証取得を支援しています。ハラール認証について、お気軽にご相談ください。

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