CM PLUS.株式会社シーエムプラス CM PLUS.

カーボンニュートラル
~一番、エネルギーを使っているところから~ カーボンニュートラル(CN)既設工場診断、新設工場の環境対応② 省エネ,カーボンニュートラル 2024/10/07

一番エネルギーを使っているところから対策を始めてみるのも一つの方策

工場で一番消費エネルギーが大きい設備は、どの設備だかご存じだろうか。生産する製品にもよるのだが、医薬品の製造工程の場合、おおよそ、工場全体の50~60%くらいかそれ以上が熱源・空調設備が占めている。すなわち、工場で使われるエネルギーのうち、半分以上が熱源・空調設備で消費されていることになる。

24時間無休で生産していれば別だが、たいてい医薬品製造はバッチ生産となる。そのため、生産装置は空調設備に比べて停止している時間が長い。

一方、空調設備は生産環境を維持しているため、製造が終わっていても環境維持、清浄度維持のため、メンテンナンス期間を除き年中稼働している。しかも、ただ空気を回しているだけではなく、製造環境を加圧するために外気を供給している。なので、生産をしていなくても、外気は常に供給されているということになる。夏では外の気温は下手をすると40℃くらいになるし、冬だと氷点下だったりする場所もある。外気供給による熱負荷は馬鹿にならない。

製造していなくても、製造室の環境を維持するために空調はずーっと動いてるし、熱源は熱を処理しているため、空調設備は工場で一番エネルギーの消費が大きくなってしまうのである。

一番エネルギー消費の大きい空調の省エネを考えることが、省エネ効果も大きくなる。

では、空調設備のエネルギーを減らすために何を検討したらよいか。
まず、風量を減らす努力から始めてみてはどうでしょうか。

空調設備は、生産活動で発生する室内の発熱を除去し、室内温度を一定の値に維持する設備であり、これは空調機が空気を循環冷却させることで実現させている。医薬品工場では、室内の清浄度区分によって発熱分以上の換気回数(循環風量)が求められることが多い。また、外部からの塵埃が工場内に入らないようにするため、外気を導入して、室内を陽圧に保持することも空調設備が行っている。でも、夏の外気は暑く、冬の外気は寒い。このため、室内に外気を送るには、室内と同じ条件になるまで、外気を冷やす、温めることが必要で、室内を加圧するエネルギーの他に、外気の熱を処理するのにもエネルギーを使うことになる。さらに、製造工程では、粉塵や発熱、臭気などを除去するために局所排気を取ることが殆ど。室内の陽圧保持の他に、この局所排気分の外気も供給する必要があり、この局所排気量が大きいと、同時に外気量も大きくなり、沢山のエネルギーが熱処理に使われることになる。製造工程の発熱を小さく抑えることも当然、重要だが、この循環風量を小さくする、外気量を減らす、ということも省エネには非常に重要であり、風量を少なくすることが、カーボンニュートラルの負荷を小さくすることに繋がっていく。
このように、まず、無駄に回してる空気や排気=外気を減らしてみる努力をしてはどうでしょうか。
既設工場の風量を減らす努力、新しい医薬品工場建設では計画段階から風量を小さくする方策の検討を行う。意外と効果は大きいかもしれません。

カーボンニュートラル・省エネのご相談は、弊社へお声掛け下さい。

関連コラム記事

関連サービス