前回は、DX(Digital Transformation=デジタル・トランス・フォーメーション)の全般的なロードマップから、制御システム階層の整理までを説明しました。
DX導入アプローチ
DX導入アプローチ方法をシーエムプラスより提案します。
デジタル化をしっかり行うためには、何をしたいのかを明確にして、まずは要件整理するところから始まります。
プロジェクトの外部環境・設備・生産・運転に関わる主要な解決したい課題とそのために必要なデータ収集方法、そのデジタル化・システム化の要件を整理いたします。次にデジタル化・スマート化に貢献するデジタルデータ及びパッケージシステムやツールの候補をリスト化し、上記のDX化の要件に照らして優先度を整理いたします。そして上記を踏まえたデジタル化、デジタル技術、IT/OT導入の基本構想を、想定可能な先に示しましたデジタルデータ収集、共有/可視化/分析、そして予測/学習化/自動化のDX化レベルに基づいて立案いたします。
図1:DX導入アプローチ方法
課題の明確化
図1において謳いましたが、何をゴールに、導入目的は何かという課題の明確化が最重要と考えます。医薬品工場に求められている課題を表1へ列挙しましたが、いずれも閲覧されている皆さんが直面している課題ではないかと想定しています。そしてこれらの解決したい課題に優先順位を付け、何のデータを収集し、デジタル化し、どのように解決していくかを検討していきます。
表1:導入目的一覧
ヒト |
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モノ |
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コト |
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デジタルデータDXの各ステップ
デジタルデータ収集、共有/可視化/分析、予測/学習/自動化の各ステップにおいて、個別のシステムやツールを課題、目的、目標を、達成するように導入するというアプローチをすることで課題解決を実現することが可能であると考えます。
図2:デジタルデータDXの各ステップ
AI:Artificial Inteligence(人工知能)
ML:Machine Learning (機械学習)
デジタル技術導入の事例
弊社が関わったデジタル技術導入事例の紹介をいたします。
いずれの案件も、「実現したい課題・項目の整理」、「使用可能なツール、システム調査・選定」、そして「システム全体構想」というアプローチによって、各々のステージにおいての成果物作成や仕様策定のお手伝いをさせていただいております。また図書出版やiVEXLもその関連として機会があればご覧いただけると幸いに思います。
当社のDXサポート業務実例
- 食品製造
→新工場建設FS,CD デジタル技術導入の調査、概念設計 - 高分子原薬製造
→新棟建設BD 建設引合資料(ITOT概要書、制御仕様書)作成 - 中分子原薬製造
→新棟建設BD 建設引合資料(制御概要書、システム図)作成 - 低分子原薬製造
→新棟建設BD 建設引合資料(制御システム概要書)作成 - 「医薬品製造工場建設のノウハウ」(2022年9月出版)
→一部制御、DXについて言及 - 「 IVEXL」主催
→WEB上のライフサイエンス向けデジタル展示会プラットホーム提供
FS:Feasibility Study (事業化可能性検討))
CD:Concept Design (概念設計)
BD:Basic Design (基本設計)
デジタルデータDXの各ステップ
これまで説明いたしました技術導入の段階やDX実現レベルを踏まえまして、弊社からの提案としては、医薬品工場へのDX導入のために、①課題の明確化、②システム選定、③全体構想の手順を踏みます。こちらをワンストップで実現するためには、医薬品工場建設プロジェクトに関する高度なエンジニアリング力、プロジェクトマネージメント力、GMPコンサルティング力、システムインテグレーション力が必要です。シーエムプラスはこれらを兼ね備えています。またシステムインテグレータ専業ではなく、施主様代行、オーナーズコンサルタントの立場でプロジェクトに参画して、また特定ベンダーとの縛りや利害関係も無く、非常にフラットな立場で仕様の策定、見積もり引き合い、また見積もり結果の評価が可能です。ライフサイエンス事業におけるプロジェクトに関係する業務 PM、EM、CM、VM、そしてGMP・薬事コンサルティング、GMP教育の陣容を持っております。
シーエムプラスからの提案
医薬品製造におけるDXのご相談は、弊社へお声掛け下さい。
公式YouTube
株式会社シーエムプラの公式YouTube にて以下タイトルの動画を配信しております。
コラムと合わせて是非お役立てください。
【第1回】医薬品製造工場におけるDX導入 ~DX導入アプローチについて~
DX導入の最初のつまづきとなってしまう障壁とは何でしょう? 解決のための3つの導入アプローチについてご説明いたします。