DX(Digital Transformation=デジタル・トランス・フォーメーション)とは
まずDX(デジタル・トランスフォーメーション)をロードマップの事例から説明します。
DXの進捗レベルを図の上部では「デジタイズ(デジタル化)」、「デジタライズ(デジタル化されたものを利用し新たな価値を創出する)」、「デジタルトランスフォーメーション(デジタルによる事業変革)」として示しています。産業のデジタル化を先読みしつつ、図の左部にある3つの視点から問題を提起し、課題を解決するためにデジタル技術を活用することが重要です。
その3つの視点とは「業界の視点」、「顧客の視点」、「自社の視点」であり、それぞれの視点において既存ビジネスモデル領域とビジネスモデル変革領域で課題解決に取り組むことが重要です。そしてDXの最終ゴールは、個々のデジタル化を進めることで、事業や経営の改革につなげることです。
図1:医薬品工場におけるDX導入のロードマップ事例と現状

デジタルデータ取扱いのDX
DX導入としてデジタルデータの取扱いに焦点を絞った場合を考察します。
図の左部に示す第一段階でのデジタルデータ収集から、右上に向かって、データの可視化/共有/分析を経て、予測/学習化/自動化を行い、企業変革につなげるというのが理想の姿であると考えます。どのレベルまでを目指し、ゴールをどこに設定するかというのも重要な要素となります。
図2:デジタルデータに関するDX (DX進捗度レベル-期待される効果)

KPI:Key Performance Indicator 重要達成度指標
IT/OT:Information technology / Operational technology:情報技術 / 制御・運用技術
制御システム階層の整理
工場における生産管理を含む制御システムの階層は、図3のような構成が一般的です。これはISA95(International Society of Automation:自動機器に関する国際的な標準化団体)が工場のリファレンスモデルをベースに、経営システムと製造システムの境界部分のインターフェースを規定しているものです。
レベル0の現場から、レベル1のセンサ、バルブ、モータ、計器等の現場機器、レベル2の各種制御機器、そしてその上位であるレベル3のMES(Manufacturing Execution System)、レベル4のERP(Enterprise Resource Planning)と、各階層で扱うデータ周期や処理内容が表されています。レベルごとに課題解決の方法を検討することが着手しやすいですが、ITOTの発展により、上位レベルでのデータ処理が可能となってきています。
図3:ISA定義

ERP:Enterprise Resources Planning (企業資源・基幹情報システム)
MES:Manufactureing Execution System(製造実行システム)
DCS:Distributed Control System(分散制御システム)
SCADA:Supervisory Control and Data Acquisition(監視制御とデータ収集システム)
PLC:Programable Logic Controller(プログラム可能な論理回路の制御装置)
*日本では「シーケンサー」が一般的も 「シーケンサー」は三菱電機のPLC商標名
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コラムと合わせて是非お役立てください。
【第1回】医薬品製造工場におけるDX導入 ~DX導入アプローチについて~
DX導入の最初のつまづきとなってしまう障壁とは何でしょう? 解決のための3つの導入アプローチについてご説明いたします。