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これだけは知っておきたい洗浄バリデーションのポイント

残留限度値をどのように設定すれば良いか?現場の視点から考える洗浄バリデーションの課題とその対応とは?
キーワード:リスク評価、残留限度値、ワーストケース、ダーティホールドタイム、クリーンホールドタイム、DHT、CHT、SDT、SHT

講師  :ナノキャリア株式会社取締役(監査等委員) 宮嶋 勝春 氏
日時  :2024年04月26日(金)10:30-16:30
受講形式:オンライン (Zoomライブ配信) / 見逃し配信
     ※当社セミナールーム、での開催はありません

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■セミナーポイント
 洗浄バリデーションは、医薬品製造現場における交叉汚染防止対策の中でも特に重要な取り組みである。これに対して、行政文書には基本的な検討項目は記載されているが、具体的なHow(方法、手順)については示されていない。つまり、各製造現場の洗浄に係わるリスク評価に基づいて、それぞれの会社の製造環境に適した洗浄バリデーションの取り組みが求められている、ということである。この洗浄バリデーションの最も重要な検討は残留限度値設定であるが、2019年3月新たな視点を求める医薬品回収事例が発生した。その結果、洗浄後の残留限度値設定にどう対応すべきか、より慎重な検討が必要となっている。こうした残留限度値の他にも、ライフサイクルを通したバリデーションの考え方やホールドタイムの設定、残留性評価のためのサンプリング方法と分析手段など洗浄バリデーションに求められる要件は大きく変化しており、それに対する適切な対応が企業に求められている。
 本講演では、こうした変化に対応するため、洗浄バリデーションの基礎的な要件について解説するとともに、特に各国の規制面からの要件、ライフサイクルを通したバリデーションの考え方、高活性物質に対する洗浄、そして洗浄バリデーションの結果を左右する残留限度値設定上の問題点と対応策、クリーンホールドタイム・ダーティホールドタイムの設定やサンプリングに係る課題、そして目視確認など、できるだけ現場で洗浄バリデーションを行う視点から解説を行う。また、実際にFDAなど規制当局の査察において確認される洗浄バリデーションのポイントについて紹介する。なお追加資料として、これまで実施したセミナーの参加者による現場の生の質問10件に対する回答を含めた。

■習得可能な事項
・ライフサイクルを通した洗浄バリデーションの考え方
・リスクに基づいた洗浄バリデーションの考え方
・洗浄バリデーションに関わる規制文書の内容
・洗浄バリデーション実施に必要となるマスタープラン、プロトコール、マスターバッチレコード、Logbookのポイント
・洗浄の結果に影響を与える3つのホールドタイムの設定
・残留限度値の設定方法(Fourmanらの方法と毒性に基づいた方法)と具体的な計算方法
・サンプリング方法設定上のポイントと分析方法
・査察への対応と確認される重要項目

■セミナー項目
1.はじめに
 1)製品回収が意味する残留限度値に対する問題提起とは?
 2)歴史にみるGMPとバリデーション
  ・なぜ必要になったのか、その課題は何か
  ・品質保証:GMP+バリデーションへ‐2002年以降のGMPとバリデーション‐ 
  ・リスクとライフサイクル通した取り組みの本質を理解する
  ・改正GMP省令とバリデーション指針のポイント
 3)洗浄バリデーションに関わる歴史
  ・限度値設定に係わる企業取り組みの視点から
 4)リスクに基づいた洗浄バリデーションの考え方
  ・Walshらの報告を基に
2.規制文書に見る製造現場で求められている洗浄バリデーションに必須な項目とは?
 1)JGMPにおける洗浄バリデーション
 2)EU GMPにおける洗浄バリデーション
 3)cGMPにおける洗浄バリデーション
 4)ASTM Internationalのガイド(E3106-18)
 5)その他(洗浄バリデーションに関わる情報をどこから入手できるか)
3.洗浄バリデーションMaster Plan、SOP、MBRそしてLogbook
 1)バリデーションマスタープランとは
  ・マスタープラン作成上の留意点
  ・洗浄バリデーションマスタープランに記載すべき事項
  ・洗浄バリデーションマスタープランと洗浄手順書の関係
 2)プロトコール・マスターバッチレコード(MBR)、そして洗浄記録(BR)
  ・プロトコール作成上のポイント
  ・マスターバッチレコード(MBR)作成上のポイント
 3)Logbook作成上のポイント
4.洗浄バリデーション実施における11の検討課題
 1)洗浄バリデーションに対する取り組みは、いつスタートするか
  ・装置設計とURS
 2)専用製造設備に対する洗浄バリデーションと限度値設定の考え方
 3)洗浄バリデーションにおける5つの評価対象
 4)洗浄方法の種類と留意点
  ・マニュアル洗浄、CIP、SIPの特徴と課題
 5)ワーストケースをどう活用するか
  ・ワーストケースによる洗浄バリデーションとは何か
  ・ワーストケース設定上の注意点
 6)洗浄に関わる4つのホールドタイム
  ・4つのホールドタイム(DHT、CHT、SDT、SHT)
  ・ダーティホールドタイムの設定上の課題とその対応
  ・クリーンホールドタイムの設定上の課題とその対応
  ・DHT、CHTの逸脱にどう対応するか
 7)残留限度値をどう設定するか?~物理化学的な設定から毒性に基づく設定へ~
  ・Fourmanらの方法の問題点~10ppm、0.1%、に科学的な根拠はあるか~
  ・毒性に基づいた基準の設定は大変!~設定上の課題とその対応~
  ・毒性データがない時にどう対応するか~治験薬製造時を例に考える~
  ・半固形製剤の残留限度値設定~Ovaisらの考え方~
  ・微生物とエンドトキシンの限度値設定
  ・目視基準は感度も高く有用であるが~採用上の課題とその対応
  ・残留限度値を逸脱したらどう対応するか
 8)残留物を正しく評価するためのサンプリング法とは?
  ・サンプリング条件が結果を左右する~場所・時間・量・手順など~
  ・Swab法とRinse法の特徴と課題
  ・リスクに基づいた残留物の分析法とは?~TOCは使用できるのか~
 9)キャンペーン生産の特徴とDHTの設定
 10)目視確認の再現性をどう確保するか!
  ・残留限度値評価のための目視確認
  ・日常の洗浄後の目視確認
  ・目視検査員の適格性をどう担保するか
 11)Continued Process Verificationへの対応
  ・製品品質の照査との違いとは
5.FDAは査察において何を確認するのか?
 1)査察はコンサルティング?~指摘なしは単にLuckyか~
 2)査察に向けた準備
 3)洗浄バリデーションに対する確認手順
 4)洗浄バリデーションに関する指摘事項の具体例
 5)指摘にどう対応すべきか~結果は次の査察で~
6.よくある10の質問(参加者からの質問に対する回答)
 ・金属スクリーン等の洗浄バリデーションにどう対応するか
 ・残留限度値が検出限界以下になった時にどう対応したらよいか
 ・医療機器に対する洗浄バリデーションにどう対応したらよいか
 ・洗浄後毎回残留物量を測定すればバリデーションは必要ないか
 ・製造終了当日洗浄することを規定する場合であっても、時間単位でDHTを規定すべきか
  ...等10項目について
7.まとめ


【講師略歴】
宮嶋 勝春 氏

■略歴
1979年4月~2000年2月 ゼリア新薬工業㈱ 中央研究所 製剤研究部
この間、
1984年2月~1986年10月 米国ユタ大学薬学部(Professor W.I.Higuchi教授)に留学
2000年3月~2006年3月 テルモ(株) 研究開発センター 主任研究員
2006年4月~2008年7月 奥羽大学薬学部 准教授
2008年8月~2016年5月 武州製薬(株) 製造技術部 部長
2016年6月~2017年5月 一般社団法人 製剤機械技術学会 事務局長
2017年6月~ ナノキャリア(株) 研究部 部長

■専門
内服固形製剤の開発、リポソーム製剤の開発、製剤の技術移転など

■本テーマ関連学協会での活動
1999年‐2000年 日本薬学会 評議員
2002年‐2004年 ISPE日本支部 理事
2011年‐2016年 製剤機械技術学会 理事
2016年‐現在 日本薬剤学会 評議員

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