工場の消費エネルギーを把握することから始めましょう。
従来の中央監視システム(BEMSなど)は、設備の監視はもちろんのこと、総電力量やガス消費量を把握し、デマンドを下げることに使われることがほとんどでした。
しかし、これでは工場全体の電力量や燃料消費量が分かっても具体的な削減策を立てることができません。工場の消費エネルギーを削減するには、何が、どこで、どのくらい、どうしてエネルギー消費がされているかを把握することが不可欠です。

見える化は測定器などを設置するだけではありません。
これまでの管理書類を整理することでも見える化は可能です。

- 日々の工場の環境管理記録のグラフ化
- 日々の生産記録のグラフ化
- 設備機器の改廃記録や機器の管理記録のグラフ化
- 電力料金やガス料金のグラフ化
これらのデータをグラフ化して詳細に分析することで、多くの発見があります。
例えば、環境管理記録であれば、
- 「製造してないときも室内温度は22℃だな。」
- 「20回/hでいいんだけど、この部屋はいつも24回/hだ。」
改廃記録であれば、
- 「この機器、もう20年も使っている。」
機器の管理記録であれば、
- 「蒸気の出口圧とユースポイントの圧って大分違うな。」
- 「コンプレッサーのアンロード時間がいつより長いな。」
などです。
既にある記録やデータを通じて具体的な省エネのヒントが見えるかもしれません。
いつもあまり変化のないデータでも、「なぜ変化がないのか?」といった視点で見ることで、「もっと下げられるかもしれない」、「夜間は換気回数を減らしてもいいかもしれない」などのアイデアが浮かぶでしょう。そこから現場をよく知っている技術者たちと相談して、具体的な省エネ対策を図っていくことが重要です。
カーボンニュートラル・省エネのご相談は、弊社へお声掛け下さい。
執筆者
株式会社シーエムプラス エンジニアリング事業部 機械設備エンジニア
エネルギー管理士、公害防止管理士(大気)
2021年にシーエムプラスに入社。現在、様々なプロジェクトにて、機械設備の概念設計・基本設計・CM業務に携わっている。エネルギーマネジメント担当。機械設備チーフエンジニア。
大学院では歯車を研究。1995年に建築設備施工会社(サブコン)に入社。サブコンでは、開発部門に12年、空調設備設計部門に14年間勤務。主に工場の空調設備、ユーティリティ設備設計を担当。多種多様な工場設備の設計経験を持つ。
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