エンジニアリング
Engineering

医薬品工場建設における基本設計

基本設計では、基本計画(概念設計)で定めたコンセプトの実現に向けて検討・提案を行い、具体的な仕様を固めて図面化していきます。GMP適合はもとより投資コストや将来構想も踏まえ、お客様の要望(UR)に適した仕様を決定し、図面化します。
また製品品質に影響を与える設備(ダイレクト・インパクト・システム)に対してはCQAs、CPPs、GMP要件を網羅したシステムリスクアセスメントのベースとなるユーザー要求仕様書(URS)を作成します。基本設計業務の仕上げとしては、基本設計に基づく概算見積を行います。基本設計で選定した仕様がお客様のご予算の範疇であることを確認した上で、次のステップ「建設会社見積引合」に移行します。
CQAs:Critical quality attributes、重要品質特性
CPPs:Critical process parameters、重要工程パラメータ
GMP:Good Manufacturing Practice、製造管理・品質管理基準

基本設計の実施事項

基本設計で作成する図書

基本計画(概念設計)に基づき、生産設備ならびに建築、空調設備、給排水衛生設備、ユーティリティ設備、電気設備など、仕様をより具体化した設計図書を作成します。
これらの設計図書はサプライヤーに対する要求仕様としても活用します。

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基本設計の成果物例

基本設計におけるコスト概算

基本設計に基づいた概算を算出します。基本計画(概念設計)時の概算よりも精度の高い概算を算出し、プロジェクト予算に対する最終確認を行います。

基本設計と詳細設計の違い

基本設計はプロジェクトの実行に向けて、生産能力、製品品質、コスト、スケジュールに影響を与える仕様や数量を確定するものです。
これに対し、詳細設計は製作・施工の為に必要な詳細な情報を全て確定したものとなります。

シーエムプラスでは…

明確な成果物と基本設計のゴール

作成する設計図書は弊社の標準成果物リストを基にプロジェクトやお客様のニーズに応じてカスタマイズし、明確化します。基本設計での設計図書やURSは、この後のステップとなる建設会社見積引合、詳細設計、またクオリフィケーション活動に必要となります。
また、基本設計の中で発生する課題や検討事項はリストアップし、基本設計の終了時にはこれらの課題が解消されていることを確認します。ご要望に応じて基本設計の成果物に本プロジェクトのバリデーションマスタープラン(VMP)を加えることが可能です。

クオリフィケーションへのトレーサブルなURS

プレ・システムクラシフィケーションによってダイレクト・インパクト・システムを特定し、そのURSを作成します。URSはQRMに活用できるようCQAs、CPPs、GMP要件を明記し、詳細設計以降のデザインレビュー、デザインクオリフィケーションの判定基準とします。URSを含む基本設計図書パッケージ対してGMP適合評価を行い、GMPの要求事項がもれなく基本設計図書に反映されていることを確認し文書化します。

ダイレクト・インパクト・システム:医薬品の製品品質に直接の影響を及ぼすと予想されるシステム、
                 適格性評価の対象となる。
QRM(Quality Risk Management): 品質リスクマネジメント
URS(User Requirement Specification):ユーザー要求仕様書 
      →UR、URSについての解説はこちら(基本計画のページへ)

●クオリフィケーション・バリデーション活動についてはこちらを参考ください↓

プロジェクトにおけるバリデーションの流れ

お客様に最適な仕様・機能の発見

お客様の要求事項(=UR)の具現化に向けて、トレンドと実績に基づき最適な技術を提案すると共に、最新のテクノロジーの優位性とリスクを調査します。また、生産性や将来性、省エネ・省人化といったランニングコストの低減、操作性やメンテンス性、導入コストといった多様な観点で評価し採用案を決定します。
CM Plusは、技術とプロジェクトマネジメントのプロフェッショナルとして、公正な立場からお客様と協働し、プロジェクト関与者にご納得いただける仕様を追求します。

プロジェクトマネジャーによる一括管理

生産設備、製造管理システム、物流システム、建築、建築付帯設備、クオリフィケーション活動など基本設計で検討し確定すべき項目は多岐に渡ります。プロジェクトを成功させる上で最も重要な時期ですが、往々にして最も時間が掛けられない時期でもあります。

CM Plusではすべての項目に精通した経験豊富なプロジェクトマネジャーがスケジューリングし、定められた期間内でお客様の要求事項を設計化できるようエスコートします。

コストマネジメント

基本設計での確定事項に基づき概算見積を行います。建築物やその付帯設備のみならず、製剤機械、製造管理システム、物流システムも含めたプロジェクトのトータルコストの概算を提示します。
トータルコストに対しお客様内で合意いただいた上で、次のステップ=建設会社見積引合(サプライヤー選定)に進みます。

他のフェーズを詳しく見る

プロジェクトの流れ詳細 事業構想 基本計画 基本設計 見積引合い 詳細設計・製作管理 施工・据付段階 試運転/IQ・OQ

実績

事例事例

数字で見る実績グラフ

お役立ち情報

弊社の運営する情報発信サイト「GMP Platform」の記事もぜひご参考ください。

「医薬品工場建設のノウハウ」

医薬品工場建設プロジェクトの成功へのノウハウを集約。プロジェクト全体の計画(=プロジェクトの仕組みづくり)から、基本計画、基本設計などの各ステップの詳細とポイントを解説。

医薬品工場建設のノウハウ 目次

【第4章】基本設計

 

医薬品設備建設における「オーナーのプロジェクトマネジメント2nd改訂版」

オーナーの建設プロジェクトマネジメントについての連載7回目。基本設計とは。

オーナーのプロジェクトマネジメント【第7回】

 

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