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教育訓練支援 人財育成を重視する会社姿勢が明確化され、品質文化の醸成に 株式会社ツムラ 様 2023/12/20

医療用漢方製剤で圧倒的シェアを持つ株式会社ツムラ様。1893年(明治26年)に創業され、日本の伝統医療分野の一角を担われ、日本の漢方を守り、発展させて来られました。
事業のパーパスに「一人ひとりの、生きるに、活きる。」、経営理念として「自然と健康を科学する」を掲げられています。

この度、CM Plusの教育訓練支援サービス「QCD+」を導入いただきました。
導入に至る経緯から、ご活用の状況まで率直なご意見・感想を伺いました。

企業情報

商号 株式会社ツムラ
創業 1893年(明治26)4月10日
設立 1936年(昭和11)4月25日
事業内容 医薬品(漢方製剤、生薬製剤他)の製造販売
従業員数 連結:4,032名 (2023年3月31日現在)

ツムラ様 静岡工場

今回は、静岡工場を訪問し、各サイト・研究所をオンラインでつないでインタビューさせていただきました。

教育訓練支援サービスの導入の背景

中期計画の戦略の中の「人財育成」

CM Plus
シーエムプラスの教育支援サービス導入の背景についてお聞かせください。
ツムラ成岡様
第三期中期計画(2018~2021年)当時の個別戦略として、「世界標準のGXPs(GMP、GDP)の潮流を捉え、常に最高レベルの品質保証体制を追求する。また、科学的根拠に基づいた品質管理・製造管理を行い、お客様への説明責任を果たす」が掲げられていました。
この達成のために、2020年5月にプロジェクトが発足しました。
プロジェクトの第一に掲げたのは「PIC/Sの完全準拠」で、7つのサブプロジェクトが存在し、その中の一つに「人財育成」がありました。
その「人財育成」のために採択されたのが、シーエムプラスのeラーニング「QCD+」です。
CM Plus
ありがとうございます。ツムラ様の中期計画という大きなプロジェクト、また「人財育成」に沿ったプログラムとして選定いただき、大変嬉しい限りです。

シーエムプラスのサービスを選んだ理由

CM Plus
弊社のeラーニング「QCD+」を選んだ理由をお聞かせください。
ツムラ成岡様

「人財育成」(GMP教育プログラム)方針に合った教材でした。
方針は4つあり、1つ目は早急に従業員のGMP基礎知識レベルを向上させること、2つ目は全階層の基礎知識レベルを向上させることでした。
QCD+は受講者のレベルに合わせて3つのプログラムが選べ、GMP省令を始めとする各種規制やガイドラインの改訂に伴い、随時内容が更新されることが評価されました。

3つ目は工場稼働中にも教育の時間を確保すること、です。
QCD+はeラーニングという受講形式のため、インターネット環境があれば任意の時間に受講でき、各講座の受講時間が10分程度で少しの空き時間でも利用できることが方針に合致しました。また、研修資料をダウンロードできることや、受講期間中であれば何度でも繰り返し受講可能であることも良かったです。

4つ目は、従業員のニーズに応えること。
QCD+はトライアルで先行受講した50名に対するアンケート調査で、高評価でした。90%以上が有用だという回答がありました。

これらの点の評価から、会社として導入を決めました。
受講費用が比較的安価であることも評価されました。

CM Plus

評価いただきありがとうございます。
トライアルで先行して受講いただいた方々のアンケートが高評価だったことは嬉しい限りです。

また、「教育時間の確保」という点は、お客様から課題としてよく伺うところで、サービス提供側も少しでも寄りそう形で提供できないかと、可能な限り短時間で受講いただけるように心がけております。

導入して良かった点、導入後の効果

CM Plus
導入して良かった点、導入後の効果についてお聞かせください。
ツムラ様

社内より次のような意見・感想をもらっております。

  • 全従業員に対して、同一教材、同一内容のGMP基礎教育が可能になった。
  • 新人社員から中堅社員までレベルに合ったコースが選択できる事が利点。
  • プログラム「GMP+ 基礎力向上」は言葉の意味から要件まで解説されているので、学習後にGMP書類の見方と理解力が高まったと感じた。
  • 担当業務に限定せず、一般的な製薬企業の考え方、スタンダードが学べる。
  • 理解度チェックテストを全問正解まで繰り返すシステムにより、受講生に一定以上の理解度を期待できる。
  • 自分の理解度や弱点を把握できる。修了証にたどり着いた達成感がある。
  • 専門用語の説明に要する時間の短縮や着眼点の一致により、短時間で深い議論に進めるようになった。
  • 人財育成として品質保証分野への教育を重視する会社姿勢が明確化され、品質文化の醸成につながった。
CM Plus
大変うれしいご意見・ご感想です。
ツムラ成岡様
また、「QCD」という言葉が共通言語になり、コミュニケーションが活性化した、という意見もありました。
ツムラ中村様
CMC開発研究所では結構多くの人数がCM PlusさんのQCD+を受講していてそれをベースにみんなで話せるようになりました。
CM Plus
本当にありがたいご意見です。私たちはこの「QCD+」を単なる知識のインプットだけではなく、コミュニケーションツールとして活用いただきたいという想いがあり、非常に嬉しいです。
ツムラ坂田様
「QCD」というアルファベットの三つに、シーエムプラスの社名にもある「+(プラス)」がついて、大変キャッチーな名称であることも共通認識として浸透していくのにうまく働いていたと思います。
CM Plus
ありがとうございます。シーエムプラスの教育訓練支援サービスは「GMP教育訓練の支援」からスタートしておりますが、弊社のコンサルタントがお客様と様々に関わる中で、GMPだけではなく、他にも必要な要素があるという議論になりました。それは、製造業で共通する「Q:クオリティ、C:コスト、D:デリバリー」であり、ものづくりに必要な事項です。ただ、QCDに関する教材について一般的な製造業向けのものは既に世の中に沢山にあります。そこで、私たちは医薬品の製造に特化した形でのQCD教材を作ろうと始めた次第です。

「QCD+」の名称、想い

CM Plus

医薬品の特性を意識して、QCDのD、「デリバリー」は敢えて「安定供給」と訳しています。また、各社で取り扱いも異なり、QCDに続いて、S:安全(safety)や、E:環境(Environment)も加えて、”QCDSE”などを使われている企業様もいらっしゃいます。企業内の用語も様々なことを聞く中で、出来るだけ共通に認識できる様に、「+」に安全や環境をはじめとする医薬品製造に関係する要素を含めて、「QCD+」という名称でサービスを開始しました。

製造現場には、品質(GMP)はもちろんとして、それ以外にもコスト・安定供給、安全衛生・環境と、複数の重要な要素があること、また、例えば品質と安定供給は、どちらを優先してどちらを後回しでよい、というものではなく関連しておりますし、各要素どれを見ても偏るものではなく、相互に高めあっていくものというメッセージを伝えたい、そういう教材にしたい、という想いがあります。

各事業所の教育活動の取り組みについて伺いました

CM Plus
今回、複数事業所でQCD+を導入し、同一教材同一内容のGMP基礎教育を実施していただきました。
各事業所での教育活動への取り組みをeラーニングに限らず教えていただけますでしょうか。
ツムラ成岡様
静岡工場では、ツムラの品質管理の経験者を派遣社員として採用し、品質管理から、漢方に関するところまで踏み込んだ内容を月1回勉強会を実施するなどの活動を行っています。
ツムラ坂田様
GMP一般から現場の実務まで基礎~応用の階層を意識した教育活動を考えています。QCD+は一般的な、ベースとなるところの教育になりますが、それを応用・活用して、例えば茨城工場のそれぞれの課での実務ではどうなるかというケーススタディという形で実務につなげる様、動き出しています。
ツムラ中村様
信頼性保証勉強会を月1回実施しています。その中でQCD+の資料も話題にしたり、また実際に起こった問題などのを扱った資料などを用いてケーススタディを行い、皆で議論し、理解を深めるようにしています。
CM Plus

ありがとうございます。eラーニングという形式の教育は、知識のインプットやアップデートには良いのですが、「アウトプットが無い」という点は弱点です。私たちもそこは認識しておりまして、フォローとして受講者同士でグループディスカッションを行うことを推奨しています。お客様の希望によりフォローアップの研修として弊社コンサルタントが入ったケーススタディを行うことも最近増えてきています。

ケーススタディの重要性を認識する中で、新規で追加した教材コンテンツがあります。「あなたは工場長の立場です。こういう問題が起きました。どう対応しますか。」と考えてもらう教材です。

ツムラ中村様
勉強会を行っている事務局の方から、資料選びが大変と聞いています。どういったテーマで行えば皆の理解が深まるか悩むそうです。そのようなケーススタディは是非活用したいです。
CM Plus
ありがとうございます。皆様にご活用いただき理解を深めるのに役立てば嬉しい限りです。
題材選びに悩まれているというお話で思い出しましたが、PMDA/GMP指摘事例速報(オレンジレター)を題材にしているという企業様も多いようですね。
また、秘密保持契約を結んだ上でですが、弊社では、実際に起こった事例を伺って研修を行うというサービスもしております。FDA対応 模擬査察という教材につなげて提供しております。
ツムラ鶴田様
ケーススタディでも個人での学習では進めるのが難しい場合があるので、複数人でディスカッションを行うことが効果的と感じます。また、動画を視聴したうえで、その内容において、GMP上の問題点を見つけるということをコンテスト形式で試みたことがあります。これは、中国でも実施し、非常に盛り上がりました。
CM Plus
いろいろな形態を試みられていますね。盛り上がりが想像されます。
ツムラ成岡様
ディスカッションというのは良いですね。eラーニングは各個人で聞いていますが、例えば、受講した感想だけを共有しても良いのですよね。
CM Plus
はい、特に答えを求めるのではなくて、インプットした知識をアウトプットする機会として、グループで共有する場があることが大切だと思います。

GMP教育の本質とは

ツムラ成岡様
GMPは単純に覚えるのではなく、なぜこういうことを行うのかということ自体を理解していくことが重要なのだと思います。
CM Plus
その通りだと思います。QCD+で提供する教材も含め、私達が実施するGMPに関する研修の中で、『GMPは”なぜを考える科学”』と呼んでいます。省令に書いてあるから守るのでなはくて、なぜそのようなガイドラインがあり、守っていくのかを考えていく。GMPは厄介なものではなく、守ることでどう貢献できているかというところを伝えていきたいと思います。
ツムラ中村様
GMPを新入社員が学ぶとき、初めはここまで詳細なことを出来るかという不安を抱くこともあると思いますが、学ぶうちに、医薬品を患者さまに安全に有効に届けることと繋がっていると理解できると、モチベーションにつながっていく。その想いと責任感の強さがツムラを長く続けている人に共通するところだと思います。
ツムラ成岡様
GMPの正しさをいくら唱えても、実施していくのは人です。その実施していく人の気持ちや考え方が伴わないと苦しくなると思います。

CM Plus
本日は大変貴重なご意見をいただきありがとうございます。今後の弊社のサービスに生かしてまいります。
重ねまして本日はインタビューにご協力いただきありがとうございます。

株式会社ツムラ 様
コーポレートサイト:https://www.tsumura.co.jp/

注:インタビュー記事内に掲載の情報はインタビュー当時のものとなります。

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