お客様の声｜株式会社ミリオナ化粧品様

化粧品、医薬部外品のOEM・ODM受託製造生産を手掛けられている株式会社ミリオナ化粧品様。
その企業名のミリオナ…百万は、会社の理念「私たちは、すべての人々の感動と幸福を実現し、百万年企業を目指します。」にも掲げられています。
今回は弊社が基本設計から工事監理まで携わらせていただいた、新工場建設プロジェクトについてインタビューさせていただきました。

企業情報

商号	株式会社ミリオナ化粧品
設立	1992年12月11日
代表者	代表取締役　阪本雅哉
従業員数	240名
営業項目	化粧品のOEM・ODM受託製造生産、医薬部外品のOEM・ODM受託製造生産化粧品・医薬部外品輸出入、健康食品の企画製造販売サプリメントのOEM・ODM受託製造生産

阪本雅哉様

代表取締役
慶徳高志様

生産技術部
大阪第一工場工場長

プロジェクトの位置づけ

CM Plus: 今回は貴重な機会をいただき、ありがとうございます。
今回の建設プロジェクトの経緯や位置づけをお聞かせください。

ミリオナ慶徳様: 今回のプロジェクトの経緯としては、弊社の既存工場の拡張の余地があまりなかったことに加え、受注量に対し、生産量が追い付いていない状況から、新しい工場の建設を検討しました。また、新しい工場には生産力向上以外に、基幹工場として同じ場所でバルク製造、充填包装、品質管理業務が行え、化粧品GMPに対応した工場が求められました。

CM Plus: ご説明ありがとうございます。
御社のプロジェクトに関わらせていただいたのは、2021年の夏、新工場建設を考えている土地を同行して見せていただくというところからでした。しかし、最初に視察させていただいた土地ではなく、現在の大阪第一工場がある場所で新工場の計画を進められることを決定されました。その判断の早さには驚かされました。

ミリオナ阪本様: 既設の工場を持つ大阪の地で、規模感の合致した物件が見つかったこと、またそれまで考えていた候補地に比べ交通の便も良く、従業員の確保がしやすいということから判断しました。少量多品種で変化も速い化粧品のラインはやはり人材が重要になります。

CM Plus: なるほど。化粧品は手に取った時の外観が商品価値を生む大きな要素であるため、容器やパッケージが変化に富み、生産のご苦労がうかがえます。
ところで人と言えば、今回の建設プロジェクトは若手の方を中心としてプロジェクトチームを組まれていて、20～30代の若手の方と進めさせていただいたことが印象に残っております。
プロジェクト最初の頃はコロナ禍の影響もあり、Web会議で進めており、なかなか発言しにくかったと思いますが、御社の会議室で打合せさせていただくような形になってからは、若手の皆さんも、ああしたい、こうしたい、と非常に積極的に意見され、そのアイディアが至る所で採用されたことが印象に残っています。

ミリオナ阪本様: プロジェクトチームはほぼ若手で組みました。建設に関わった経験値は非常に価値があると考えています。新工場建設に携わったメンバーは生産技術、品質管理・分析などそれぞれの部門にいますが、次世代を担う人材として期待しています。

ミリオナ慶徳様: これから工場を回してく中心メンバーになっていくと感じています。新工場への上部の人の移動に伴い、既設の工場を回す若手として活躍してくれています。
また “続いている”のが良く、一つ上とか二つ上の先輩がいると、どういう業務を任されているのかというのが見える。その見えているのが良い循環を生んでいるのだと思います。

CM Plus: 施設の建設だけでなく、次世代を担う若手の育成も考えられてのプロジェクトであることを再認識しました。その一助になっていれば幸いです。

プロジェクトで苦労した点

CM Plus: 今回の計画・建設プロジェクトを進める上で苦労された点など教えていただけますか。

ミリオナ慶徳様: 既設建屋を改装し新しい工場としましたが、既設建屋がゆえに導入する設備やレイアウトに制約がかかったことがまず苦労した点です。“こういうことがやりたい”という要望が出てくるのですが、建屋として制約が掛かってくるのでそこをいかに実現していくかというところです。シーエムプラスさんには建設のプロとして解決法をいろいろと提案いただきました。例えば、壊せない既存の壁があって配管ルートが通せないところがあったのですが、外側に通路を作って盛り替えていくなどは、弊社側では出せない提案です。
そして、消防の許可に関しては最後まで苦労しましたが、弊社側の運用と消防が許可できる範囲をうまく調整いただきました。

CM Plus: ありがとうございます。消防の許可に関しては、この地域所轄の規制で厳しい面があり、何度も足を運び確認を行いました。どう解決しようかと御社のメンバーと顔を寄せ合って考えたことが懐かしいですが、最終的に運用に支障がない形で収めることが出来て良かったです。

ミリオナ慶徳様: また、新型コロナの影響で建築資材、設備部品供給が滞っている中、工事が開始されるというタイミングでした。そこに、ウクライナとロシアの戦争が始まり、建築資材、設備の納期がさらに遅れ、これらの資材、設備のコストが上昇し、想定していた予算、完成時期を大幅に超えかねない状況になったことです。

CM Plus: 資材の確保の指示、物価上昇に関するコスト交渉支援など、多くの苦労があったことを今でも思い出します。

ミリオナ慶徳様: 基本設計は勿論のこと、実施設計や工事監理のフェーズもシーエムプラスに依頼して良かったと思うところです。特にあの時は資材が入ってこなかったり、資材コスト上昇から工事費の追加を請求されたりという話を周りで聞く中で、工期、コストも大きな変動なく完了することが出来たことは非常に価値があったと思います

CM Plus: ありがとうございます。慶徳様も含め、御社プロジェクトメンバーの皆様が一体となって、難題に対応いただいたおかげです。大変感謝しております。

CM会社を採用した理由について

CM Plus: CM会社を採用した理由、また数あるCM会社の中からシーエムプラスを選んでいただいた理由を教えていただけますでしょうか

ミリオナ慶徳様: 今ある加納工場は弊社内で建設会社との価格交渉や管理を行いましたが、建設プロジェクトや建設に関する法律に詳しいわけではありません。また新工場は既存工場に比べ規模が大きく、建設会社だけでなく、生産設備ベンダーなど多くの会社が関わるため、ミリオナ化粧品がすべての会社と価格交渉や進捗管理等を行うには負担が重すぎるという判断がありました。建設後の不具合のリスクを極力避けるため、製薬工場や化粧品工場のエンジニアリングおよびコンサルティングとして多数の実績を持つシーエムプラスさんにお願いすることになりました。

ミリオナ阪本様: 正直、CMというカテゴリーの仕事の存在を初めて知りました。以前、別の化粧品会社様の工場を見学した際、大変素晴らしい工場であったので、建設の進め方についてお聞きしたところ、シーエムプラスさんの名前が出てきました。本当にご縁だと思っています。違う工場を見学していたら、シーエムプラスさんの存在を今まで知らなかったと思います。
また、声を掛けようかと検討していた建築設計、建設会社さんは、オフィスなど意匠的に美しいものを作ることは得意とされていますが、「生産施設で求める機能性」については少し違う。そこで、生産施設を専門とされているシーエムプラスさんにお願いすることにしました。

CM Plus: CM会社の認識については私たちがもっと精進しなければならないところです。弊社もコーポレートサイトやCM協会を通じて周知活動は行っているのですが、まだまだCMの認知度は低いと感じています。様々な業界、様々な規模の企業様と一緒に仕事をさせていただいていますが、初めはＣＭ会社をご存じではなく、建設と言えば建設会社さんに頼めばよいという会社が多いのは事実です。認知度を上げていく必要性を感じています。
今回は同じ化粧品分野のお客様のご縁でつながったこと、ありがたい限りです。

シーエムプラスを採用して

CM Plus: シーエムプラスを採用して良かった点と改善点をお聞かせください。

ミリオナ慶徳様: シーエムプラス様は建設のプロフェッショナルでありながら、化粧品工場のコンサルティング実績もあり、化粧品工場に求められていることを実践されていることから採用しました。
建築会社評価、建設コストの妥当性検証、建築会社の監督、スケジュール・コスト管理、法令順守、行政との調整、そしてミリオナ側に立って、建築会社と交渉をしていただいたことが良かったです。
建設コストの妥当性検証に関して、これは例ですが、一期工事と二期工事で同様の規模でも資材費と人件費が高騰しているから1.5倍になりますと建設会社が提示してきた時、その1.5倍が妥当なのか、根拠がちゃんとしたものなのか私たちでは検証ができない。そこにシーエムプラスさんに入っていていただいていると、基準となる見積があり、どの項目がどのくらい上がっているという根拠がはっきりし、妥当な金額が分かってくる。そこは入っていただいた大きなメリットだと感じています。

CM Plus: ありがとうございます。弊社には過去の実績工事費用のデータソースとインフレ率を考慮して概算建設コストを算出するシステムがあるので、物価上昇に対しても根拠を示しつつ建設費を評価していく事が可能です。

ミリオナ慶徳様: また概算は、基本計画時と実施設計開始前の2回、算出いただきました。実は2回目の概算は建築会社が請けているので必要なのかという疑問の声が社内で上がったことがありました。ただ実際に実施設計を進めると、この概算がかなり重要であることが分かりました。基本設計を綿密に行っていても、工事に移るときには、こう変えないといけないとか、実際にここをどうしますかと詳細を詰めていく場面が必ず出てきます。そして、変更するとそれが値上がり要因になる。そういう場面で概算と仕様を見て判断し、建設会社と交渉していくというところが、重要だったのだと思います。

CM Plus: ありがとうございます。CMはお客様の立場に立つ建設のプロフェッショナルとして業務を行いますが、そのメリットを感じていていただいて嬉しいです。また、実施設計、工事フェーズでの変更管理、コストコントロールは地道な業務ですが、建設の知識と経験が求められるところです。評価いただきありがとうございます。

ミリオナ様の今後の方向性とシーエムプラスへ期待すること

CM Plus: 今後どのような方向・方針で貴社を発展させていかれるご計画かご教示いただけると幸いです。

ミリオナ阪本様

弊社の社是、企業理念、品質方針をもとに企業運営をおこないます。
安心、安全、安定は言うまでもなく、お客様に喜んでいただけるモノの提供を続けてゆきます。
また、これからはグローバルに対応したコスト感、スピード感と今まで築いてきたクオリティを以て世界へ挑戦していきます。
そして、これらを行うには、結局、人なのですよね。世界に行くにしても国内でも。ハードや設備はお金があれば何とかなりますが、今回も新工場に素晴らしい機械が導入されましたが、動かすのは人。AI全盛期とは言ってもお客さんは人ですしね、グローバルに売っていくと言っても、ロボットに売るわけではない。AIを使って省人化と言いますけども、その発想を持つのも人。
だから、いかに良い人…という言い方が良いのか分かりませんが、良い考え方を持った人、相手のことを考え、相手の立ち位置を考えられる人。そういう人をいかに採用して、またその基礎を持っている人を育てていけるか。そこが一番大切な気がしています。

あとはやはりスピード感です。良いアイディアも遅くなると取り負けてしまう。いかにクオリティを保った中で、どうスピード感を持たすか。その為にどう手を打って、どういうふうに先回りして、確保しておくかができると勝っていけるのだろうと思います。これもそういう発想ができて行動に移せる人が大切になってくるのですよね。